40代からの知っておきたい目の病気<飛蚊症>

【40代からの知っておきたい目の病気】飛蚊症とは?症状とその原因

時々耳にする目の病気、飛蚊症(ひぶんしょう)とはどんな病気なのか?
調べてみました。

 

病気というよりは「症状」です。蚊が飛んでいるかのように見えてしまう状態です。

 

物を見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える状態のことを飛蚊症と呼びます。
黒い虫のようなものの形や大きさはさまざまで、視線を動かすと追いかけてくるような動きをする場合もあります。
飛蚊症の症状が出る年齢もさまざま。早い人では20代から症状を自覚する人もいます。

 

では、飛蚊症の原因は?

 

目の構造 硝子体 飛蚊症
目の中には透明なゲル状の硝子体(しょうしたい)という物質があります。
硝子体の成分は時とともに変化し、一部にしわのようなものができたりします。
そのしわの部分が濁ってその影が網膜に映り、黒い虫のように見えるのです。

 

飛蚊症の原因には、生理的なものが原因になる場合と、目の病気が原因になる場合とがあります。

 

原因となる目の病気で代表的なのは、網膜剥離(もうまくはくり)です。
網膜がはがれてしまう病気です。網膜のはがれは痛みを伴わないため、気付きにくいのですが、その前兆として飛蚊症の症状があらわれることがあるのです。

 

また、生まれつきの飛蚊症というのもあります。
母体内で胎児の眼球が造られる途中過程では硝子体に血管が通っています。眼球が完成するとその血管はなくなっていくのが普通ですが、生まれた後も血管のなごりが硝子体内に残ると、それが濁りとなって飛蚊症の症状があらわれる場合があります。
この手の飛蚊症は生理的なもので、健康な目にも起こる現象ですので、症状が進まない限りはあまり気にする必要はありません。

 

気にする必要があるのは、もともと飛蚊症の症状がなかったのに症状が感じられるようになってきた場合です。網膜?離などの病気である場合が考えられますので、眼科で検査を受けるようにしましょう。

【40代からの知っておきたい目の病気】飛蚊症その治し方

繰り返しになりますが、(加齢を含む)生理的なものが原因である場合、飛蚊症は特に治療の必要はありません。
網膜剥離などの目の病気が原因の場合は早急に治療する必要があります。
大事なのは、原因が生理的なものか病気によるものなのかをはっきりとさせることです。

 

次のような場合、必ず眼科を受診するようにしてください。

 

・黒い点などの量や範囲が増えた
・暗い場所で突然稲妻のような光が見える
・視力が急に低下した
・視野の一部が欠けている

 

この場合は、飛蚊症の原因になっている病気をつきとめることが必要です。

 

原因になる病気は、先ほどお話した網膜剥離、そして網膜に穴があく網膜裂孔(れっこう)、硝子体出血、そしてぶどう膜炎です。

 

硝子体出血は、糖尿病や高血圧、あるいは外傷などにより眼底で出血がおこり、その血液が硝子体に入るというものです。突然飛蚊症の症状が出たり、目の前に赤いカーテンが引かれたように感じます。そして出血の部位や量によっては視力が一次るしく低下します。

 

ぶどう膜炎は、目の前部のぶどう膜が、細菌やウイルスの侵入あるいはアレルギー反応によって、炎症を起こす病気です。
くわしくはこちらの記事も参考にして下さい。
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ぶどう膜炎にめなりの成分アスタキサンチンはどのような効果?

 

網膜裂孔はレーザーで裂孔の周囲を焼き固めることで網膜の剥離を防ぎます。
しかし網膜裂孔から網膜剥離へとステージが上がると、レーザー治療というわけにはいかず、その治し方は目を手術する以外にありません。

 

硝子体出血ですが、出血が多い場合にはやはり手術を行って外科的に出血や濁りを取り除くことになります。症状によって出血の原因となっている部位にレーザーを当てて固めるという方法をとることもあります。

 

ぶどう膜炎の場合は、炎症を抑えるためのお薬(内服薬)や点眼薬(めぐすり)で治療をします。

 

どの病気も、早期に治療が必要というのが重要ポイントです。
あとでいいやと言って放っておかず、すぐに眼科にかかりましょう。

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